ホーム » 降灰による影響とは?

降灰による影響とは?

降灰による影響とは?
このページでは、富士山噴火をモデルケースとした各分野における影響などを公表した「大規模噴火時の広域降灰対策について―首都圏における降灰の影響と対策―~富士山噴火をモデルケースに~(報告)」を参考に、降灰によりどのような影響が起こるかを動画やマップで紹介していきます。
※令和2年4月に「大規模噴火時の広域降灰対策検討ワーキンググループ(中央防災会議防災対策実行会議)」が公表
※大規模噴火時の広域降灰対策検討ワーキンググループの報告書はこちら
(内閣府防災情報のページ)をご参照ください。
動画で知ろう・学ぼう
降灰被害様相 イメージマップ
降灰による主な影響

交通インフラ

道路(二輪駆動車)
- 乾燥時10cm 以上、降雨時3cm 以上の降灰で二輪駆動車が通行不能。
- 当該値未満でも、視界不良による安全通行困難および、道路上の火山灰や鉄道停止に伴う交通量増等による速度低下や渋滞が発生。

鉄道
- 微量の降灰で地上路線の運行が停止。
- 大部分が地下の路線でも、需要増加や車両・作業員の不足等により運行停止や輸送量の低下が発生。

船舶
- 降灰中は視界不良により運行停止となる可能性がある。
- 多孔質の火山灰が海面に浮遊している場合は、冷却水管やエンジンフィルタの目詰まりの可能性がある。

航空機
- 降灰が0.4㎜以上になると滑走路等の除灰が検討され、2㎜以上になると除灰が必要とされ、除灰作業が行われるまでの間、滑走路が利用不可。
- 大気中に火山灰が存在する空域では、航空機は迂回等の措置が必要。

ライフライン

電力
- 降雨時3㎜以上の降灰で碍子(がいし:電線等を支える器具)の絶縁低下による停電が発生。
- 数cm以上の降灰で火力発電所の吸気フィルタの交換頻度の増加等による発電量の低下が生じる。
- 電力供給量の低下が著しく、需要の抑制や電力融通等の対応でも必要な供給力が確保できない場合は停電に至る。

上水道
- 河川などに火山灰が降ると、水質が悪化し、降灰の影響が大きい浄水場では、水質基準超過のリスクがある。
- 停電エリアの浄水場および給水所等で、自家用発電設備の燃料切れが生じると水道の供給に支障が生じる。

下水道
- 降雨時、下水管の閉塞により、閉塞上流から雨水があふれる。
- 停電エリアの処理施設・ポンプで非常用発電設備の燃料切れが生じると、下水道の使用が制限される。

通信
- 噴火直後には利用者増による電話の輻輳が発生。
- 降雨時に、火山灰が基地局等の通信 アンテナに付着すると、通信を阻害。
- 停電エリアの基地局等で非常用発電設備の燃料切れが生じると、通信障害が発生。

建物

木造家屋
- 降雨時30cm以上の堆積厚で木造家屋が火山灰の重みにより倒壊するものが発生。
- 体育館等の大スパン・緩勾配屋根の大型建物は、積雪荷重を超えると損壊するものが発生。
- 5cm以上の堆積厚で空調設備の室外機に不具合が生じる。

健康(身体)

目
- 火山灰は細かくとがっているため、目に入るとごろごろしたり、こすると目の表面に傷ができることがあります。
【主な症状】
・目の異物感
・目の痛み、かゆみ、充血
・ねばねばした目やに ・涙
・角膜のひっかき傷
・結膜炎、充血やひりひり感などの症状

呼吸器系
- 火山灰は細かい粒子のため、大量に吸い込んだ場合、鼻や喉などに異常が出たり、呼吸器疾患などを悪化させる恐れがあります。
【主な症状】
・鼻やのどの痛み
・胸のしめつけ感
・発作のようなせき
・ぜーぜーとした息苦しい呼吸

皮膚
- 火山灰が 肌につくとべたべたし、皮膚の炎症を起こすことがあります。
【主な症状】
・付着による不快感
・皮膚の痛みや晴れ
・ひっかき傷からの二次感染

その他

人の移動
- 鉄道の運行停止とそれに伴う道路の渋滞による一時滞留者の発生、帰宅や出勤等の移動困難が生じる。
- 道路交通支障により、移動手段が徒歩に制限される。

農作物・水産物
- 農作物に対する商品価値の低下や収穫不能が生じる。
- 降雨時10㎝以上の降灰で森林の幹の折損、生育不良や枯死が発生。
- 水産物の漁獲量や養殖への影響が生じる可能性がある。

物資
- 一時滞留者や人口が多い地域では、少量の降灰でも、買い占め等による食料および飲料水等の売り切れが生じる。
- 交通支障が生じると、物資の配送や店舗の営業困難等により生活物資が入手困難となる。